離島での石窯制作
瀬戸内海に位置する80人ほどの島民の住む過疎化、高齢化のすすむ島に個人の依頼でこの石釜を制作しました。この屋根付きの小型石釜はバーベキュー用の炉を右側に併設しています。小さな島で平地が少なく、家々は急斜面に建っています。車が一台やっと通れるほどの細い道がくねくねと島をめぐり、資材の搬入には苦労しました。勿論、車を運んでくれるフェリーは運航しておらず、チャーターすることになります。細い急な坂道ばかりの島では思いどうりに石釜作りの仕事ははかどりません。通船で40分ほどの島に、生まれ育った家と、先祖のお墓があり、家に風を通したり、お墓の草取りにときどき島を訪れます、とオーナーからお聞きしました。折角、島に渡るのだから、何か他の楽しみをと、パン、ピザなどが焼ける小型の石釜に思い至ったそうです。瀬戸内海は海の幸も豊富です。魚のみならず、野菜、肉など何でも調理できる石釜に奥様は目を輝かせています。いまでは週2回ほど島に渡りピザなどを焼いて楽しんでおられるとか。次はパンに挑戦と嬉しそうに話しておられました。